おまじない

東日本大震災でにより被害を受けられました皆様に
心からお見舞い申し上げます。

阪神大震災を経験した人でさえ経験したことがないような、
津波の被害の無残さ、原発事故の見えない恐怖・・・

2011年3月11日からすでに3週間が経とうというのに、
被災地の現状さえも掴めない状況。

被災地の方々の気持ちを思うと、
何と表現してよいのかも分かりませんが、
先日ヤフートピックスに以下のようなニュースが掲載されていました。

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 300人以上の被災者が暮らす避難所を、白衣姿の女性の “魔法”が満たしている。

 宮城県名取市の名取第一中学校でカルテの束と血圧計を手に、連日被災者と向き合うボランティアの看護師・齋藤カツ子さん(66)。東北大学病院で副看護部長として定年まで勤めた看護のエキスパートだ。自らの経験が役に立てばと、震災翌日、ボランティアに名乗りをあげた。

 ある日の回診では、避難所で寝たきりになった高齢の男性に「立ち上がれるおまじないをしてあげる」と宣言。足を揉んでからツボ押しすると、男性はゆっくりと立ち上がって歩き始めた。家族は「じいちゃんが歩いた」とびっくり。さらに、不眠に苦しむ73才女性に「眠れるおまじないを教える」とリンパマッサージのやり方を伝授した。

 心のケアも大切な仕事だ。大きなショックを受けた人の心は、まず被災の衝撃に打ちのめされる「ショック期」にはいると齋藤さんはいう。次が“夢じゃないか”と現実を受け入れられない「否認期」だ。

「いまはショック期から否認期への移行時期。この時期は体を日常に戻すことが大事です。『ご飯が食べたい』『顔が洗いたい』という小さな願望をひとつずつ満たしていくことが必要です」(齋藤さん)

 この日、齋藤さんは中学校1年生の息子を失った40代の夫婦と対面した。

「急に息子が『ただいま』って帰ってくるような気がする。まだ現実感ないもんな」
「本当に嘘みたいだよね。私がもうちょっと息子のことを見ておけばね。私のせいだよねぇ」

 深刻な内容をぼんやりとした表情で語る夫婦。その会話に齋藤さんが割ってはいる。「あのさ、ちゃんと泣いた?泣けるときに泣かないとあとで具合が悪くなっちゃうよ」――すると、わずかな笑みを浮かべていた妻の目に涙があふれた。齋藤さんは嗚咽で揺れる肩をなでて優しく諭す。

「いままで泣けなかったんだね。我慢してたんだね。泣くのも大事だよ。泣きなさい」

 学校や市の職員が業務に追われるなか、被災者の心と体のケアを一手に受け持っている齋藤さんだが、今後の心配は尽きないという。

「これだけの惨事にはサンプルがありません。『こうすればいい』がないから、みんなで少しずつ乗り越えないと。とりあえずは小さな願望から満たしていくことです」(齋藤さん)

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本当は身体は動けるだけに回復していても、
心が動こうとしなければ、身体が動いてくれないケースというのは、
当院に来られる患者さんの場合でもあります。

人の身体は、心と一緒に動いています。

身体を治すというのは、心のケアを同時進行で進めるということ。

「おまじない」と言えば、
子供の時に怪我や病気をした時に誰もがよく聞いた言葉、
「痛いの痛いの飛んでいけー!」

もちろんこの言葉自体に治療効果はありませんが、
怖さに緊張した人の心を緩ませることのできる医療における大切な言葉です。

「大丈夫」

周りの人のたったこんな一言で命を救われた人が何人いることでしょうか。

様々なものが不足している被災地では、
もちろん物資も必要ですが、被災地の復興において、
このような「おまじない」も、本当に必要なもののひとつだと思います。

そして今回は、日本だけでなく、
世界中にも「素敵なおまじない」が溢れているようで、
見ているこちらまで大きな勇気をもらいました!

必ず日本は復興できる!

よーし!皆で頑張りましょう!